プロの秘技を完全公開!『1/20イプシロン製作記』 ~その1~

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。
先ごろ受注開始となった1/20イプシロンですが、塗装見本を手掛けた岡島正晃さんに製作記事を依頼しました。早速届いた原稿を見てみると…物凄いボリューム!
とにかく親切・丁寧に説明されていて、初心者に優しく、そして中級者や上級者にも目からウロコのテクニックを惜しげもなく披露されており、そのまま掲載したいと考えました。
今回はその第1回目。
是非お付き合いいただき、参考にして頂ければと思います。


 

『1/20イプシロン』製作記』 ~その1~

製作・文:岡島正晃

ご挨拶
大多数の読者の方には、恐らくはじめまして。今回1/20イプシロンの塗装を担当しました、岡島正晃と申します。本業はフリーライターで、かつては『ボトムズ』の本も何冊か書いてる(大田出版刊『ボトムズ・アライヴ』など)最低野郎なのですが、一方で趣味としてかれこれ30年ほど、28ミリスケールを中心にミニチュア/フィギュアの塗装もたしなんでいたため、今回白羽の矢をぶっ刺して頂いた次第です。

この手のミニチュア、最近じゃ『ホビージャパン』で英ゲームズ・ワークショップ社の製品が紹介されたりして、ホビーシーンでもちょいと話題になってますよね。その一番の特徴であり、かつ他ジャンルのモデラー諸氏が一番驚かれるのが、作品の多くが完全筆塗りで仕上げられていることじゃないでしょうか? もちろん今回のイプシロンも、いつもと勝手が違うビッグスケール(あくまで「私の感覚では」のハナシで、ヒストリカル・フィギュアの世界では1/20=90mmスケールが「王道」と言われています)ではありますが、すべて筆塗りです。本稿では、未だイマイチ知られていない、そのノウハウをご紹介しましょう。
ただし、以下はあくまで、私が普段使ってる技法というに過ぎません。ミニチュアペイントには塗る人ごとにさまざまな方法論があるため、決して「コレが唯一の正解!」ではないことを、予めご了承ください。そのぶん使う道具や基本概念については丁寧に(それはもう、長々と!)ご説明しますんで、ご興味のある方は、お付き合いのほどを!

下準備
塗装に入るまえに、まずはレジンキットのお約束、パーツチェックと洗浄を行います。とはいえ、キットは大変キレイに抜けていて(さすがRCベルグさん!)、気泡もぜんぜん見当たりません。離型剤もほとんど付いていないようですが、一応パーティングラインを取ったあと、ジョンソン社の「激泡キッチンクリーナー」に一晩漬け込んでおきました。このへんはもう、習慣みたいなもんですね。

洗浄が終わったら、組み立てに入ります。このとき、塗装後に接着可能で、かつ別にしておいたほうが塗りやすい部品は接着しないでおきます。今回は頭とヘルメットは塗装後に接着することとし、前者は首と胴の受け側に、後者はヘルメットの手で隠れる部分にピンバイスで穴を開けて、同径の真鍮線を差し込みました。同様に両足の裏にも1.5mmの穴を開け、真鍮線なり爪楊枝なりを差し込んでおきます。これを大きな目玉クリップでくわえ、そのクリップを持って作業すれば、不幸な事故が防げるって寸法です。

髪の毛のパーツはアトハメ加工が難しそうだったので、素直に顔面パーツに接着。髪の前後で接着線が出ますから、エポキシパテで埋めておきます。これには通称「グリーンスタッフ」と呼ばれる、デューロパテを使用しました。通常のエポパテと違って繊維が練り込んであるため、柔らかいのに形が崩れにくいのが特徴で、混ぜたあと2mmぐらいの棒状に伸ばして立てても自立するほど。この手の作業はもちろん、その気になればフィギュアを丸々自作することも可能なスグレモノです。

同様に、両腕と胴体の接合部も、グリーンスタッフでなだらかに。ただしこれは、私が白いインナースーツのワンピース感を強調したかったからです。パーツの分割ラインそのものはあまり目立ちませんから、特にコダワリがなければそのままでも充分でしょう。
グリーンスタッフが硬化したら表面処理を行うのですが、半硬化状態でキッチリ磨いていれば、あまり必要はありません。反面、練りこまれた繊維のせいか、このパテは硬化後にも若干の粘りがあるため、「削って形を出す」のは、ちょっと慣れが要ります。金ヤスリやペーパーを、ケバ立ちが出ない程度にやさしく当てればイイんですが、なるべく「盛り」の段階でキレイに仕上げるのが得策です。
それでも傷や荒れが目立つようなら、オススメなのがゲームズ・ワークショップの「リキッド・グリーンスタッフ」。エポキシパテはプラモデル用水性アクリル塗料の溶剤で溶けるのですが、コレはその性質を利用した「ビン入り溶きエポパテ」のようなものです。水溶性で扱いも簡単なので、こういう場面ではすこぶる重宝し、今回も表面処理の仕上げに使っています。

ここまで来たら、あとは全パーツにサーフェイサーを吹けば、塗装準備は完了。今回はGSIクレオスの「Mr.ホワイトサーフェイサー1000」を使用しました。


 

という事で今回はここまで。次回より塗装に入ります。テクニックだけでなくマテリアルについても惜しげもなく解説されていきますので、ぜひご期待ください!

K_NAGAMI(永見 浩士)

©サンライズ

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