プロの秘技を完全公開!『1/20イプシロン製作記』 ~その2~

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。
『1/20イプシロン』製作記』 2回目。
前回、下処理も済ませていよいよ塗装に入るわけですが、今回は作業前に実際に使用したマテリアルなどについての解説です。滅多に聞けないプロの使用しているマテリアルなど、丁寧に解説されてますので、是非ご覧ください。


 

『1/20イプシロン』製作記』 ~その2~

製作・文:岡島正晃

塗料
それでは、いよいよペイントの解説に……行きたいところなんですが! とにかくひとまずナニよりすなわちそのまえに、使う塗料と筆については、どうしても触れねばなりますまい。普段エアブラシを使ってるメカものモデラーさんからすると、完全筆塗りのフィギュアペイントは難しく思われるかも知れませんが、実はやってみると思いのほか簡単です。ただし、それはこの塗装法に特化した専用塗料と、いい筆を使えば、のハナシ。このふたつを抜きにして、今回ご紹介するようなフィギュア塗装は、およそ楽しめんのでございます。

このうち専用塗料に関しては、最近ではゲームズ・ワークショップの「シタデルカラー」が、モデラーさんにも認知されつつありますね。「塗りやすい!」という絶賛の声を聞いたことのある方も、少なくないでしょう。

だがしかし! 今回のイプシロンで使っているのは、シタデルカラーじゃございません。実はミニチュア専用塗料、シタデル以外にも海外の各メーカーから多くの種類が発売されておりまして。なかでも私が愛用しているのは、英国製の「コートデアームズ・ペイント」なんであります。

一般にミニチュア専用塗料は、プラモデル用塗料より遥かに隠ぺい力が高く、伸びと発色がイイのが特徴。加えてこのコートデアームズは、薄めた際に微妙に下地を透かす性質にも優れております。詳しくは後述しますが、そのおかげで繊細なグラデーション塗装がすこぶる容易なのですね。また、シタデルが色によって隠ぺい力の強弱を調整するなど、独特の仕様を採用しているのに対し、塗料の性質がほぼ一定なので分かりやすく、同じ価格帯(シタデル550円~、コートデアームズ500円)で内容量は1.5倍(シタデル12ml、コートデームズ18ml)と、お値打ち感もこちらが上。唯一のネックは海外通販でしか手に入らないことでしたが、2017年春からは日本のネットショップ「ハーミットイン商店」さんでも取り扱いがスタートしました。というワケで、私のイチオシはなんたってコイツなのであります。

ただ、この種の塗料は「自分が慣れてるのがベスト」という面も強く、事実シタデルをはじめとする他社製塗料で、メッチャ上手に塗る方も沢山いらっしゃいます。以下にご説明するペイント法も、どの塗料でも問題なく可能ですし、いずれも水性アクリルなので混ぜて使ってもぜんぜんOK。私も色によってはシタデルを併用していますから(「この色は他のメーカーにない!」っていうの、このジャンルでも「あるある」なんですわ)、コートデアームズじゃなきゃ「ダメ! 絶対!」ってワケでは、決してありません。

反面、プラモデル用の塗料だと、今回ご紹介するペイント法はほぼ不可能。なのでまずは、シタデルでもコートデアームズでもイイですから、専用塗料をちょろっと買ってみてください。筆塗りに完全特化したその性能には、きっとカルチャーショックを受けることでしょう。「値段が高い!」という声もよく聞きますが、伸びがいいうえにエアブラシのような無駄が出ませんから、1/20フィギュアなら1本で10体ぐらいは塗れちゃいますよ。


塗料の次は、ミニチュアペイントで主力兵器となる筆。こちらも各社からイイ物が沢山出ておりますが、なかでも「鉄板!」と言えるのが、英国の画材メーカー、ウィンザー&ニュートン社の「シリーズ7 ファイネストセーブル」でしょう。世界中のペインターが太鼓判を押す、コリンスキーセーブルの最高級品であります。こちらは全国の画材屋さんや一部の模型店で入手でき、ネットショップではモデラーの強い味方「G PARTS」さんなどでも取扱中。1本1500円弱と、これまた初心者さんには「高い!」と言われがちなお値段ですが、圧倒的性能に加えて酷使しても半年以上は使えますから、「むしろ安い!」と断言できます。

ご購入の際には、筆の軸に書かれた数字にご注目。これは根元の太さを表しており、整数なら大きいほうが太く、0未満は「000」のように、0の数が多いほど細くなります。勢い、細かな部分が多いフィギュア塗装用となると、やたらめったら細い筆を選ぶ初心者さんも多いんですが、これはあまりオススメしません。筆というのは毛の隙間に毛細管現象で塗料を溜め込み、それを筆先から放出して色をつけるため、細い筆=毛の少ない筆ほど塗料の「含み」が悪く、うまく色がつかなかったり、筆目が出たりするからです。今回の1/20イプシロンでは、私は目のような細かい部分に00番、顔や身体には1番を使用しましたが、いまにして思えば「身体は2番のほうが塗り易かったかなぁ」といったところでしょうか。

また、ウィンザー&ニュートン社からは、ミニチュア塗装に特化した「シリーズ7ミニチュア」というブランドも発売中。品質は同じですが、毛足が短いので筆先がまとまりやすい……らしいんですけど、ごめんなさい、コレは使ったコトないんで、実力のほどはわかりません。逆に言うと、通常のバージョンでも問題なく使用できますし、筆もやっぱり「高品質かつ慣れてるのがベスト」ってワケですね。


 

という事で今回はここまで。次回は、その他の道具や日頃見落とされがちな事などについてです。
こだわる部分にはこだわったもので、リーズナブルに代用が効くものはリーズナブルでと、参考になる事が多くあると思います。ご期待ください!

•プロの秘技を完全公開!『1/20イプシロン』製作記』 ~その1~ はコチラ

K_NAGAMI(永見 浩士)

©サンライズ

コメントは停止中ですが、トラックバックとピンバックは受け付けています。