デコマス担当・まいもっち氏による『アッセンブル・ヒロインズ渡辺 曜』キット製

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。

ブログにて
アッセンブル・ヒロインズ渡辺 曜【Summer Queens】(半完成品・組立フィギュアキット)
について、テストショットによる素組レビューを紹介しました。

またホビーマニアックス様のサイトで、モデラーの石井正明さんによる、簡単塗装作例を紹介していただきました。

そして今回は中級者以上向けの作例として、製品のデコマスを担当していただいたまいもっちさんにデコマス同様の仕上がりを目指した作例を手がけていただきました!

是非ご覧くださいませ。


 

アッセンブル・ヒロインズ渡辺 曜【Summer Queens】(半完成品・組立フィギュアキット)製作について

製作:まいもっち 文:K_NAGAMI

1.はじめに

本作例ではデコマス同様の仕上がりを目指しますが、
・頭部は製品のものをそのまま使用
・頭部以外についても成形色を生かした上で、グラデーション処理や部分塗装で完成させる
ということをテーマとしています。

2.サンディング処理について

前回の記事でも触れていますが、
アッセンブル・ヒロインズ渡辺 曜【Summer Queens】(半完成品・組立フィギュアキット)

は、ゲートカットされた状態&簡易パーティングライン処理を施した状態で製品化されますが、細かくチェックすればパーティングラインが処理しきれていないところがあります。また今回の作例ではテストショットでの製作でしたので、製品版と違ってパーティングラインが残っている状態でした。よってまずはその処理から始めています。
600番の紙やすりにてパーティングラインを消し、同時にパーツの表面全体を整えています。

3.プライマーの塗布

成形色を生かすということでサーフェイサーは使用しませんが、念の為、塗料の食いつきをよくするため、プライマーを全体に塗布しました。使用したのは

フィニッシャーズ製「マルチプライマー

パーツのサンディング(上記のヤスリがけ処理)後、エアブラシにて全体に塗布しています。

4.水着の塗装

水着は成形色を生かしつつ、グラデーション処理と部分塗装を行います。

最初にグラデーション用に準備した塗料ですが

ガイアカラー 033 純色シアン

ガイアカラー Ex-02 Ex-ブラック

Mr.カラー C-34 スカイブルー

以上の3色を用意し、ベース色より一段濃くなるように調色しています。

 

プラバンにテスト吹きしたもの

 

そしてパーツにあてて色味をチェックしているところ。

「一段濃く」という色合いがこのくらいということで参考になるかと思います。

 

そして下の画像は、それぞれ左が塗装(グラデーション処理)前、右が塗装(グラデーション処理)済みのものです。グラデーションについて、写真ではどうしても完全には伝えにくくなりがちですが、大体のポイントはつかめるかと思います。

以下、同様に各部の塗装前と塗装済みの画像です。

以上のようにグラデーション塗装が終わったところで、次はフリル、スカート、リボン等、縁の薄い水色の塗装に入ります。

ここは面積が小さくマスキングするほどでも無いと判断し、エナメル系塗料を筆塗りで塗装しています。

用意した塗料はこちらの2色で、下の写真のように調色しました。

タミヤカラー エナメル塗料 X-14 スカイブルー

タミヤカラー エナメル塗料 X-2 ホワイト

 

色が用意できたところで、写真のように筆塗りしています。

スカートフリルの外側(ガイドになる凹モールドがあります)

 

バストフリルの外側(ガイドになる凹モールドがあります)

 

作業が前後しますがリボンの縁も(ガイドになる凹モールドがあります)

 

5.サンダル・リボンの塗装

サンダル、リボンの濃いブルーの塗装に入ります。

使用した塗料はコチラ。

ガイアカラー 024 コバルトブルー

ガイアカラー 004 ウルトラブルー

ガイアカラー Ex-01 Ex-ホワイト

以上の3色を用意し、調色しました。

 

調色が済んだところで、エアブラシで塗装します。

 

リボンについては塗料が乾いたところで、先に触れたように縁の薄い水色をエナメル系塗料で筆塗りします。

 

6.肌色のグラデーション塗装

肌色のグラデーション用の塗料を準備します。

使用した塗料はコチラ。

ガイアカラー Ex-03 Ex-クリアー

ガイアカラー 042 クリアーオレンジ

ガイアカラー 041 クリアーレッド

以上の3色を用意し、調色しました。

 

イメージに合わせて調色し、3パターンほど用意しましたが、テストチップでチェックし画像中央のものを使用しました。

 

以下の画像はそれぞれ、左側がグラデーション塗装をしたもの、右側がしていないものです。

 

肌色のグラデーションは繊細なので、画像では判別しにくいかと思いますが、背中、胸、腹、腰、手首、膝周り、踵周り等々、よく見ると差が出ているのがわかるかと思います。影となる部分や造型のメリハリを際だたせるのに効果的なので、是非参考にしてみてください。

 

7.ヨキソバの塗装

ヨキソバのタマゴの部分のグラデーション処理を行うための塗料を準備。使用した塗料はコチラ。

ガイアカラー 025 橙黄色(とうこうしょく)

ガイアカラー 031 アルティメットホワイト

ガイアカラー Ex-02 Ex-ブラック

以上の3色を用意し、調色しました。

 

ベース色より一段濃くなるように調色、パーツに色味をあてて、チェックします。

 

左が塗装(グラデーション処理)前、右が塗装(グラデーション処理)済みのものです。

 

タマゴの塗装が完了したので、次にケチャップの塗装に入ります。ここもエナメル系塗料を筆塗りで塗装します。使用した塗料はコチラ。

タミヤカラー エナメル塗料 X-7 レッド

 

色が用意できたところで、写真のように筆塗りしています(ガイドになる凸モールドがあります)

タマゴ部分の完成です。

 

次にソバの塗装に入ります。製品はタマゴ部分とソバ部分は別パーツになっています。

 

ソバの色味が黄色過ぎるので、まずは軽くホワイトを塗って調整しています。

 

ソバに使用する塗料を用意します。

ガイアカラー 031 アルティメットホワイト

ガイアカラー 018 エメラルドグリーン

 

葉の色をエメラルドグリーンで、茎の色をアルティメットホワイト、キャベツ部分にランダムに塗装します。

 

続いてヨキソバのソース用塗料として、

タミヤカラー エナメル塗料 XF-64 レッドブラウン

を用意します。

 

下地が見える程度にランダムに色をのせます。

 

キャベツ部分にも軽くソース色をのせます。

 

ソバパーツの完成です。

 

ソバの上にタマゴをのせ、つや消しコートをしてから皿の上にのせて、ヨキソバの完成です!

 

8.仕上げ、完成!

あとはマニキュア&ペディキュアの塗装をするのみとなりましたが、その前に全体をつや消しで整えます。

使用したのはコチラ。

ガイアカラー Ex-04 Ex-フラットクリアー

 

そして最後にマニキュア・ペディキュアの塗装に入ります。使用した塗料はコチラ。

タミヤカラー エナメル塗料 X-27 クリヤーレッド

タミヤカラー エナメル塗料 X-22 クリヤー

 

ほんのりピンク色になるように調色します。

 

色味を確認しながら筆塗りしていきます。

 

マニキュア、ペディキュアの塗装ができました。

 

これにて完成、作業終了です!

早速、完成品撮影画像を用意しましたのでご覧ください。

 

以上、まいもっちさん製作による

アッセンブル・ヒロインズ渡辺 曜【Summer Queens】

製作記でした。

デコマスを担当していただいた、まいもっちさん自らに手がけていただいたことで、カラーレシピ等々、参考になるところも多々あったのではないかと思います。手にしていただいた際には、是非、また見直して参考にしてくださいませ。

さて製品の開発状況についてですが、現在、工場と連携して作業を進行中です。頭部などは今回使用されているものより数段ブラッシュアップされますのでご期待下さい!