こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
設計を担当いただいたT-REX社の元木さんよりコメントを頂きました。
設計者として数々の実績を誇ってきた同社でもF.S.S.のGTMがいかに難産だったか、熱く語っていただいてます。
是非、ご覧くださいませ。
破烈の人形 インジェクションキット化について
文:元木博行(T-REX)
弊社は普段、原型/設計を同時に請け負う事が多いのですが、アワートレジャー社のF.S.S.シリーズに関しては既に素晴らしい原型データがありますので、そちらをベースに設計に注力する事になりました。
第一弾「エンゲージSR3 後期型」では、アワートレージャー/T-REX/工場と全てが初めての座組で何処まで出来るか、どのような製品になるか等、先が読めない事もあり永見さん(開発担当)に相談しながら「自分だったらどういうF.S.S.のプラモデルが欲しいか」と言うある意味、趣味全開で設計させてもらいました。
ありがたい事に、引続き第二弾となる「破烈の人形」の話を頂きましが、GTMは今までに染みついているインジェクションキットとしての常識を一旦忘れ、新しい気持ちで臨んでおります。
理由としては、「破烈の人形」の設計がほぼ出来上がったタイミングで「エンゲージSR3 後期型」のテストショットが上がり、その監修会にて自分の至らなさを痛感する事がありまして…
そこで本当の意味でF.S.S.と向き合う覚悟が決まり、一から作り直す判断をしました。
まず、全身のエッジを強調する為に通常インジェクションキットではNGと言われる深さまで掘り、肉厚についても原型の薄さ(1/100→1/144で既に薄くなっている)を再現する為に実際に樹脂が流れるかどうかギリギリのラインを攻めています。
生産工場にはデータのまま金型を製作して頂き、実際にテストショットが上がりランナー状態を確認するまでは本当に不安でした。
分割についてもパーツ数が増え過ぎないよう、ある程度パーツの一体化を図ってますが、当然、元々の原型が金型での生産を想定したモデルではありませんので、そのせいで再現度が落ちてしまっては意味がありません。
そこで非常にお金は掛かりますが…
スライド金型を惜しみなく使用する事で再現性を確保しています(普通でしたら全部はNGと言われます(*^^*))。
基本はデザインラインに合わせてパーツ分割するようにしていますが、MHよりかなり細身になりますので強度の確保も苦労しました。
「破烈の人形」は実際にパーツを重ね合わせ、接着をする事で強度が出るような設計になっていますので、パーツをキチンと切り出して頂けれは、かなり組立易いキットかと思います。
最終的に製品版には採用されませんでしたが、ツインスイング関節の表現方法についても何度もキャッチボールを繰り返し、何パターンも設計した上で現在の「見た目優先版」と「組立易さ優先版」の2種になりました。
GTMの手も、MHよりかなり大きくなり細部まで表現出来る反面、金型で抜くには形状的にかなり妥協しなければならない箇所もありましたので、こちらも「再現優先版」を別途、限定版の方で用意しましたのでお好みで選択して下さい。
第三弾となる「マグナパレス」も先日発表となりましたが、弾を追う事に進化を遂げてますので、そちらも続報をお待ち下さい!! 引続きよろしくお願いします。
以上、T-REX社の元木さんによる、破烈の人形のインジェクションキット化についてでした。
インジェクションキット
1/144 破烈の人形 リッタージェット・マーク3 ダルマス
は4月25日(金)、公開・受注開始となります。
どうぞご期待下さい!
なお今後、本アイテムの流通限定版についても紹介記事を公開する予定で準備しています。
公開された際には是非こちらもどうぞご覧くださいませ。
K_NAGAMI
©EDIT
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