ハイファ・ブリンガー(灰色)登場!プロモデラー・嶋村豊輝氏による製作記

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
絶賛受注中のレジンキット「1/100 ハイファ・ブリンガー」(灰色)の完成見本を
プロモデラー・嶋村豊輝さんに手掛けていただきました。
是非、ご覧ください。

 


 

ハイファ・ブリンガー(灰色)

製作・文:嶋村豊輝

こんにちは嶋村豊輝と申します。
今回はハイファ・ブリンガーのブラフォード機(灰色)を担当致しました。

■更なるディテールの進化
さて谷さんのGTM3作目となるハイファ・ブリンガーも来ましたね!グリット・ブリンガーが来たらやっぱりハイファ・ブリンガーも欲しいですよね、並べて飾りたくなるもの。
グリット・ブリンガーとの共有パーツもありますが新規パーツも多いです。
ディテールの彫り込みが深くなっていたりしていて立体感が増している箇所も見受けられ、ディテールがしっかりしていると墨入れしなくても自然の陰で立体感が出るのを実践している感じを受けました。
長年のF.S.S.ガレージキットファンなら自然とニヤリとしてしまう所。
なので今回は墨入れは一部しかしていません。グレーは影が見えやすいですしね。
目の周りや腰のサイドアーマーの内側、後頭部の見えない箇所など、デザインを考えて作られている所なんか好きですね。
デザイン画で見えない所を、どのような解釈で仕上げてくるのだろうとワクワクしますよね。

 

 

■塗装手順の紹介
塗装する手順はそれぞれで、自分の得意なやり方でOKだと思いますが、参考までに今回の塗装手順を紹介致します。
通常、隠ぺい力の高い色を低い色の上に重ねる方法が多いのですが、今回は暗い関節色を先に塗りました。
理由は一段下がっているディテールのマスキングがしやすく失敗するリスクが下がる為です。
例えば逆の手順で塗った場合、凹んでいる部分の側面部のマスキングの難易度が上がり、マスキングが浮いてしまう可能性が出てしまうのですが、しかし一段下がっている所のマスキングは平面なので、浮きを気にしないでマスキングして塗装できるわけです。
また塗膜がなるべく厚くならないよう出来るだけマスキング作業をします。
例えばグレーの上に黒を塗る時も、黒い箇所はマスキングして塗装をします。
ただしマスキング作業が複雑な場合は除きます。今回で言えば白いラインの所ですね。

またマスキングすると逆に仕上げが荒くなりそうな所は、マスキングせずに色を重ねています。
今回も仕上げのサーフェイサーを吹いたら6000番で軽く磨いています。
そしてホコリや回り込んだサフのザラついた面を整えています。

ここで塗装に入る前に中性洗剤で軽く洗って触った時に付着した皮脂などを落とします。
サフの前にも洗っているので2回目の洗浄です。
普段はサフの後磨かないですし洗浄もしないのですが、後々の仕上げに影響しそうな所はなるべく無くすようにしています。
数々の失敗の経験がありますからね。

サーフェイサーはタミヤの缶タイプファインサーフェイサーLを使いました。
色の塗り分けラインはタガネ0.125で掘っています。
溝がガイドになり、マスキング作業が楽になるのとナイフの傷が目立たないようにする効果もあります。
マスキングにはMr.マスキングテープの強粘着のオレンジ色を使いました。塗膜の状況に応じて通常の黄色いタイプと使い分けています。

 

 

マスキングが大変なんだけど今回スリー・シィープス・デザインのマスキングテープカッティングガイドを使ってみたところすごく便利でした。
小刻みなサイズ違いのテープを切り出せるのでカユイ所に手が届く感じですね。
デザインナイフの刃はこまめに交換して切れ味をキープしておく事も大事です。

 

 

①腰下レインボーカラー
最初は腰から下のレインボーカラーからシルバー下地にクリアカラーを塗りクリアーでコートしています。
ここは塗り重ねが薄いので塗装はがれを懸念してMr.マスキングテープの青色弱粘着タイプを使いました。

 

 

②関節色グレー
装甲のグレー部にマスキングをして関節のグレーを塗ります。
部分的にスーパーメタリックのアイアンを使いました。
メタリックな感じを残しつつグレーに寄せるのが難しい所ですね。

 

③部分グレー
装甲色の中にあるグレーは関節色より少し暗いグレーを使いましたが、並べてみないと分からない位なので関節色でも良かったと思います。
小さい面積の所は後で筆塗りしています。

〇マスキングに時間がかかるので装甲色グレーを塗る前に他で進められる色を進めます。

 

④胴体
黒で塗装後今回は下地にスーパーファインシルバー2を使っています。
スーパークロームの方が良い光沢に見えますが、クリアを重ねると曇るようなので今回はファインシルバーで。

最後にクレオスのクリアブラックで仕上げ。

 

⑤ガットブロウ刀身部
キラキラして塗膜に強いボーンペイントのテラクロームを使います。
このミラー感はさすがですね。

下地作りと乾燥に気を使いますがこのミラー感は今のところ他で代用できないかな。
ベースブラックの上にテラクロームを吹いています。
一層ずつ乾燥させながら低出力で吹くと良さそうです。

左手のバルバラガットブロウの方はガイアカラーのクリアブラックで少し暗い刀身にしています。

 

実はクレオスとガイアカラーで同じクリアブラックでも色味が異なります。
クレオスの方は少し青味があり、ガイアの方は黒に近いです。
好みで使い分けると良いと思います。

クロームプライマーで最終コートをしています。
バルバラガットブロウのグレーも塗装

 

⑥紺色(後頭部・踵・背中突起部・胸中央パーツ(一部)・前腰アーマー・右ガットブロウグリップ)
クレオスのリトルアーモリーカラーのガンブルーメタリックを使用、少し茶色の暗いグレーに青い粒子が入ってます。
艶消しでも良い感じですね。

 

⑦メタルブラック(拳・胸先端・後腰アーマー先端・へそ部・デザイン画フライヤー部・足の甲)
シルバーを下地にメタルブラック、足の甲だけガイアのクリアブラックをさらに重ねてクリアコートしています。
メタルカラーはクリア層がないほうが輝く時もあるので好みで使い分けています。

 

⑧装甲色グレー
めちゃくちゃ悩みました装甲色のグレー、光の当たる強さや背景などで色の見え方がかなり変わって見えちゃうので、前日の夜完璧だと思っても翌日朝見るとなんか違うとなるわけです。
また塗装面積でも印象変わっちゃうのでスプーンにテストで塗ったときと実際パーツに塗装して組んだ時とでもなんか見え方変わるんですよね。

足らなくなると困るのであらかじめ多めに色を作るのですが、色々混ぜて調整していくうちに原液で紙コップ1杯分位になりました。
いっぱい余りましたが足りないより安心。

少し赤味のあるグレーなのでマゼンダを混ぜていますが強く色がつくので少しずつ様子を見て混ぜていきます。
元のサンプルを作っておいて混ぜる前と比べながら慎重に調整しています。
白で明るさの微調整

 

⑨ホワイトのラインと筆塗りグレー
マスキングにはじっくり時間をかけて慎重にすすめました。
細切りマスキングテープのおかげで工数は多いですがキレイに仕上げられました。

装甲色内の筆塗りのグレーも合わせて塗っておきます。

 

⑩クリアシルバーでメタリック感をプラス
関節および装甲色グレーの上にクリアシルバーでコートしています。

 

⑪上半身レインボースリットと目入れ
上半身のレインボースリットはエナメルカラーを使いました。
白を下地に塗ってクリアカラーで色を入れています。
艶消しの後だと毛細管現象がこわいので艶がある内に塗り分けます。

目の赤は朱色を使っています、奥まった位置にあるので少し明るいほうが目が見えやすくなるかなと眼力大事。

 

⑫墨入れ
色の塗り分け部をタガネで彫り込んだ部分のみ目立たないグレーで墨入れをしました。

 

⑬艶消しフラットコート 
ここで再度関節部グレーにマスキング作業をしますがなかなか大変で3日位かけて慎重に行いました、剥がす時は2時間位で終わります。
装甲色を塗るときにクリアシルバーコートしておけば1工程少なく出来ますが、マスク部の塗膜段差が少し気になるのと修正が難しくなるので今回は再マスキングという手間をかけました。
マスキングと塗装が上手な人はこの手間は不要だと思います。普段より塗装には気を使っちゃうのです。

艶消しはなめらかスムースを使いました。

 

⑭仕上げ
上半身のレインボースリットが艶消しになってしまうので、最後にエナメルのクリアで光沢を戻しています。

 

■組み立て
軸打ちはアルミ線を使用、1mmの軸を入れる場合1.5mmで浅めの穴も空けて空間で少し調整できるようにしています。
斜めに穴を開けた所(スネ横のアーマーなど)は凸部の一部を削って軸を逃がす部分を作ったりしました。文章の説明だと難しいですね。
空間を作り曲げの余白を作る感じです。

ガットブロウは右手は人差し指、左手は親指に0.5mmのアルミ線でつなげています、固定するより補助する感じで。
足首はガッチリと固定して膝のあたりでポーズの微調整をしています。
股関節は接着強度が欲しかったのでエポキシ系を使用しました、それ以外は瞬間接着剤を使っています。

 

■塗料ガイド

①腰下レインボーカラー
・Mr.カラー
SM201 スーパーファインシルバー2
GX102 GXディープクリアレッド
GX103 GXディープクリアブルー
GX104 GXクリアグリーン
GX105 GXクリアピンク

②関節色グレー
・ガイアカラー
074 ニュートラルグレーⅣ
VO04 フレームメタリック
Ex07 シルバー

③部分グレー
・ガイアカラー
074 ニュートラルグレーⅣ

④胴体
・Mr.カラー
GX2 ウィノーブラック
SM201 スーパーファインシルバー2
GX101 GXクリアブラック

⑤ガットブロウ刀身部
・SHOW UP
ベースカラーブラック
テラクローム
クロームプライマー
・ガイアカラー
043 クリアーブラック
グレーのグリップ部
073   ニュートラルグレーⅢ

⑥紺色
・Mr.カラー
LAC102 パーカーガンメタリック

⑦メタルブラック
・Mr.カラー
GX201 GXメタルブラック
・ガイアカラー
043 クリアーブラック

⑧装甲色グレー
・ガイアカラー
072 ニュートラルグレーⅡ
073 ニュートラルグレーⅢ
034    純色マゼンダ(少量)
・Mr.カラー
GX1 クールホワイト

⑨ホワイトのライン
・Mr.カラー
GX1 クールホワイト

⑩クリアシルバー
・Mr.カラー
GX110 クリアシルバー

⑪上半身レインボースリット
・タミヤエナメル
X2 ホワイト
X23 クリヤーブルー
X24 クリヤーイエロー
X25 クリヤーグリーン
X26 クリヤーオレンジ
X27 クリアーレッド
X22 クリヤー

・ガイアカラー
VO26  焔朱 (ほむらしゅ)

⑫墨入れ
・タミヤスミ入れ塗料
ダークグレイ

⑬艶消しフラットコート 
・Mr.カラー
GX114 スーパースムースクリアー

 

 


 

以上、嶋村豊輝さんによる 『1/100 ハイファ・ブリンガー』製作記でした。

 

なおハイファ・ブリンガーは、現在

アワートレジャーYahoo!店ハイファ・ブリンガー【通常版】

 

アワートレジャーYahoo!店 ハイファ・ブリンガー【スペシャル版】

 

で予約受付中です。

2025年3月31日(月)受注締め切り
となりますので、まだ予約されていない方は、この機会にぜひ宜しくお願い致します!!

K_NAGAMI

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