『1/35野望のルーツ・ラストシーンSET』について

こんにちは！企画・開発担当のK_NAGAMIです。
先ごろ発表した『1/35野望のルーツ・ラストシーンSET』について、
製品概要とこだわりを少しずつお伝えしていきたいと思います。
原型を手掛けた岬光彰さんに直接解説をしていただきますので、是非御覧ください。

1/35野望のルーツ・ラストシーンSET

製作・文：岬光彰

トレーラー本体＆キリコ以外のフィギュアの原型を担当しました岬光彰です。
今回のブログでは商品企画の経緯や製作のポイント等を解説します。

■企画
「ボトムズ総合模型演習2024」の開催も決定しボトムズ熱が上がる中
アワートレジャーさんでも何か新作のレジンキットを出したい～とのお話がありまして
当初はデフォルメやゼンマイ式の歩くスコープドッグ、ATの形を模したルアーなど
ミニキット的なものが企画に上がっていたのですが、
最終的にはメーカー担当さんの
「大好きな野望のルーツのラストシーン再現のジオラマを見てみたい！自分が欲しい！」
という作品やキャラクター・メカへの思い入れをカタチにする事になりました。

■車種
今回製作したトレーラーは装甲騎兵ボトムズのTV本編の17話で
ビーラーゲリラがATの輸送に使用したトレーラー「MTV-22-Tフラットキャリー」と
設定上は同じものですが
積載するATの数が異なる為、実際の建設用の重機等と同じように同じ形で
大小のサイズがある車両と解釈し
劇中の降着姿勢のスコープドッグを4体並べたシーンから1/35スケールでサイズを決定しています。

トレーラー本体です。

■スコープドッグの装備
野望のルーツの劇中では搭乗者ごとに手持ちの武器や装備類が異なるのですが
ラストのパレードのシーンでは装備上の違いはグレゴルー機の6連ミサイル弾ポッドのみで
キリコ・バイマン・ムーザの各機体は同一装備で、腹部の脇のガトリング銃等は未装備な為
キットも左肩のスモークディスチャージャーと胴体の左右のインテークの形状変更のみとしています。

■各部製作解説
自分がこれまで作ってきたロボット等と違い、トレーラーという実在の車両と共通点の多い物ながら
ボトムズ世界のSF車両でもある為、造型に際しては基本形状のアレンジは極力行わずに
設定画の描線を尊重しつつ、WAVE社のキットとのバランスも考慮しながら
細部に実在の軍事・民間のトレーラーやトラック等の車両のイメージを盛り込み
機能性や実在感を見る人に感じてもらえるような造形を心掛けました。

設定画ではシンプルなパネルラインの部分に、滑り止めパターンの入った板を追加しています。

クレーンは実際のトラックなどに装備されている「ユニック」を参考にしています。

設定画のリアの四角い線はウインカーやバックライトの集合ユニットと解釈して造形しました。
クリアーパーツで成形されています。

タイヤは片面を作って複製して2つ貼り合わせて作っています。
凸部分は原型を一つ作って複製して、画像のような治具を作って等間隔になるように22枚貼り付けています。

設定画や劇中の作画のイメージを崩さない範囲で、ゴムタイヤの側面のふくらみやホイールのリムの表現等で、ややリアルな感じを狙って造型しました。

車体フロント部分です。運転席はオミットし、スモークグレーで塗装するラジコンカー的な仕様となりますが、中は空洞ですので市販の同サイズプラモデルのシート等を移植する等のディテールアップも可能です。

80年代の丸目四灯のトラックのフロントライトの形をイメージして車両のボディから一段低い位置にライトのユニットがはめ込まれているような造形にしてみました。

フロントウィンドウの向かって左側の端が丸い横長のディテールは、端の丸いスリットを作り端を丸く加工した丸棒を埋め込んで、周囲が凹で中が凸の立体的な解釈で造形しています。

■あとがき
自分が住んでいる場所の近くに幹線道路があり、近隣の自治体には自衛隊の基地もあって
大型のトラックやトレーラー、軍用車両も頻繁に通るので日常的に実際の車両の観察が出来ました。

以前模型雑誌で住宅地や商業ビルのあるジオラマを作った際も同じ症状になったのですが
実在の物を参考に模型を作っている最中は、参考になる対象物をジーっと見る癖がついて
完成後の今でもその癖が残っていて、信号で止まってるいい感じに汚れたトラック等があると
つい目が行ってしまいます・・

長くなってしまったので今回はこの辺で。。
次回はトレーラーの残りの部分の解説と塗装、フィギュアの原型について紹介します。

以上、岬光彰さんによる『1/35野望のルーツ・ラストシーンSET』製作解説①でした。

なお『1/35野望のルーツ・ラストシーンSET』
は11/25(月)より、正式公開・受注開始となります。是非ご期待ください。
なお、ボトムズ模型シーンの盛り上がりを受けて下記2アイテムの受注再販を
本日、11/21(木)より行うことになりました。
（受注締切：2025年2月10日／2025年4月下旬発売）
是非、この機会をご利用くださいませ。

【スコープドッグ】ヘッド＆ボディ＆ハンドパーツセット (2023)