原型師LIXA氏より、GTM バーガ・ハリについて①

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
原型を手掛けたLIXAさんより、バーガ・ハリについてコメントが届きました。
LIXAさんの想いを感じていただきたく、是非ご覧くださいませ。

 


GTM バーガ・ハリの原型製作について

製作・文:LIXA

ドーモハジメマシテ、新人のLIXAデス(←本当)。
この度、GTM「バーガ・ハリ」の立体化、商業原型制作に挑戦させて頂きました。
完成に至ったのはひとえに永野先生、諸先輩方のご助言、サポートのおかげです。
誠にありがとうございました。

早速ですが、今回の「バーガ・ハリ」の原型制作は
3Dモデリングソフト:Rhinoceros 5
3Dプリンター:Saturn2 8k
を使用しました。
ただ、最後の仕上げは必ず耐水ペーパーのお世話になりますので、ポルトガル語の紙やすり「LIXA」を名乗らせて頂いております。

では早速「バーガ・ハリ」の立体化に際して、モデルグラフィクス誌でも紹介しきれなかった「こだわった点」をご紹介させて頂きます。

 

 

① あごパーツ
MHではあまり見なかったパーツですが、GTMにはほぼ標準化されている気がします。(ヒトエフタエには付いて無いですが)

 

一見、フェイスマスクに密着していそうですが、真正面からの画稿ではフェイスマスクの逆三角形の輪郭に干渉していません。
モデリングでも正面から見た際はフェイスマスクのエッジに干渉しない距離を保ちつつ、それでいてフェイスマスクと一体感のある位置形状を再現しました。

 

 

 

② 後頭部の放熱フィン
14巻15ページから、ヘルメット内側から外に向け髪の毛のように伸び、3節のモノが片側4本、4節のモノがセンターに1本の計9本が配置されています。

 

これは、頭頂部のファティマシェルの熱を直接外部に逃がすためのモノと解釈。
一本一本ファティマシェルから生やしてみました。

 

実際の組立て時は一本一本Φ0.5㎜の真鍮線でファティマシェルパーツに固定し、ある程度後から角度を調整できるようにすると、肩のスイングに付くロッカーアーム、放熱フレアと干渉が回避しやすいです。

 

 

③背ビレと龍骨
ニュータイプ誌表紙を飾ったBSコブラにある面取りのあるシャープな背ビレを目指しました。
モデリングとしては、まず初めにカイゼリンの内部構造に倣い、龍骨の一本一本(1コマ1コマ)を背骨の位置にズラッと配置し、連続した二本の龍骨列にします。

次に放熱用の背ビレブロックがその龍骨列に被せられているようにモデリングしました。
従って、背ビレパーツの裏面には龍骨列が確認できるのですが、胴に組んでしまうとほぼ見えなくなります・・・まさに無駄骨。

 

 

④胴
GTMの細い胴は蛇腹状、かつ蛇腹の前面側は左右に開き、中は空洞と思われます。
まず、内部が空洞である雰囲気を出すため蛇腹前面のスキマは最上段まで切り込ませ、ヘソブロックから上に伸びる3本目の龍骨列もなるべく上段までチラ見えするようにしました。
一方で、細い胴を再現するには、内部にΦ3㎜の真鍮線を通さねばなりません。
(Φ3㎜の真鍮線はキットに付属します)
この真鍮線の通るトンネルと最も細い蛇腹中央のギリギリの肉厚調整が、特に細い胴を持つバーガ・ハリのシルエットを再現するカギでした。

 

 

⑤背中装甲
同14巻15ページで背中パーツの下の方は影になって見えません。
ただ、背ビレは腰から首までズラッと並んでいるように見えますので、背中装甲はオープンと解釈。
バーガ・ハリはメイドコスチュームの意匠が随所に見られますので、背中にはX字に配されたヒモをイメージしたスイングレールを配置してみました。

 

 

⑥腰サイドアーマーのガット・ブロウ
ガット・ブロウを腰アーマー内側に収納し、「ガット・ブロウ エジェクト!!」の前段階を再現したかったので、ガット・ブロウが狭い腰アーマーと太ももの間に収まるための折り畳み機構を想定しました。
画像では判りにくいですが、鍔の部分はへの字に少し折り畳まれています。
また、腰のサイドアーマーはセンターで2つに割れて観音開きになり、ガット・ブロウをサッと取り出せると想像しました。
そのため、サイドアーマーは開く際のヒンジとなるであろう支柱を2か所モデリングし、そこで腰ブロックに固定するという自己満足っぷりです。

 

 

⑦ふくらはぎのモールド
スネ装甲の後方断面にあるモールス信号風のモールドは14巻56ページに見られる整備中のバーガ・ハリの脚部モールドを再現しています。
ただ、KKの作例では画稿の通りにモールドを外側に寄せて出力しましたが、キャストで生産する際は一方の肉厚が薄いため、成形不良が懸念されます。
そこでキットではBSの作例のようにセンターに寄せたバージョンになります。

(画像はキット版です)

 

 

⑧足首内側の模様
画稿では花びらや植物が描かれていますが、監修時に永野先生に質問したところ、「ここは蒔絵で模様は自由」との回答を頂きました。
そこで、花と植物の模様を自由に入れてみましたが、蒔絵風に金色や銀色でスミ入れするのが良いのかもしれません。

 

 

⑨つま先のモールド
14巻17ページにつま先がアップになっています。
この3本スリットの内部にあるモールドがカッコ良かったので、別パーツにして再現しました。
これにより、表面処理がしやすく、塗分け不要になります。
地味にこだわったパーツです。

 

 

⑩肩アッパーアーマー
肩スイングの前面にあるイチョウの葉のような装甲の裏側にあるマウントパーツは、ニュータイプ誌表紙のBSコブラの透明装甲越しに見えるモノを参考に再現しました。
実は背面から見た時、非常に小さいにもかかわらず、肩スイングの下に結構眼に入るパーツなので、地味に良い仕事をしています。
また、バーガ・ハリを優雅に見せるフリル状の装甲も同表紙の形状とディテールを参考に再現しました。

 

 

⑪アームフライヤー裏のガット・ブロウホルダー
14巻47ページにガット・ブロウをアームフライヤー裏側に収納する四角い筒状のホルダー側面はギザギザのモールドが見られます。
これはジッパーのような小さなコマの集合で、それぞれが個別に開いたり閉じたりすると解釈。
ガット・ブロウ収納時には各コマは画像のような感じに鍔を避けつつ、挟んでホールドするだろうとしてモデリングしました。

 

 

⑫指
大きめの手指はGTMの特徴的なパーツの一つと思います。
そのため1/100スケールの割に、細かいモールドを入れやすくなります。
また、バーガ・ハリの指は比較的細く長く鋭いのが特徴です。
親指も一節多く長いので、悪魔的な表情を付けてみました。
それぞれの指の節を繋ぐ円盤状のパーツはスイングを想定しています。
キットでは、指のシャープなエッジとディテールを忠実に再現するため、一本ずつ別パーツとしました。
小指は特に小さいので、紛失にお気を付けください。

 

 

⑬バーガ・ハリKKのアイドラフライヤー
13巻221ページのバーガ・ハリKK初登場時に見られる、下半分が伸びた状態も再現可能です。
内部には放熱板風のスリットを再現し、中がスカスカにならないようにしています。

 

 

 


 

以上、LIXAさんによるGTM バーガ・ハリの製作記Part 1でした。
後日Part 2を公開しますのでご期待ください。

 

なお現在、GTMバーガ・ハリは各種
【バーガ・ハリKK ツラック隊】

 

 

【バーガ・ハリBS スバース隊】

 

 

 

【バーガ・ハリKK + バーガ・ハリBS 二体セット【スペシャルパーツ付】】

 

で予約受付中です。

まだ予約されていない方は、この機会にぜひ宜しくお願い致します!!

 

K_NAGAMI

 

©EDIT

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