当社キット使用、岬 光彰氏による作例 1/20スコープドッグ ターボカスタム!

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
今回は先ごろ再リリースをした当社の
『1/20【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット』
を使用した
1/20 スコープドッグ ターボカスタム(ザ・ラストレッドショルダー版)
の作例です。
製作したのは当社製品の原型を担当した岬 光彰さんです。是非、ご覧ください!

 


1/20 スコープドッグ ターボカスタム(ザ・ラストレッドショルダー版)

製作・文:岬 光彰

モデラーの岬 光彰と申します。
今回は
【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット (2023)
のキットをバンダイ1/20スコープドッグ ターボカスタムのキットに組み込み[ザ・ラストレッドショルダー版のキリコ機]仕様として製作例を作ってみました。
このヘッド&ボディ&ハンドパーツセット は元々2017年7月に発売されたもので今回は6年ぶりの再販となりました。
キットには頭部・胴体とハンドパーツが付属していて、原型も自分が担当しています。

アワートレジャーさんからの発注としては、
「プラモデル&改造パーツ共にさくっと素組みでOK!」
・・・との事だったのですが、大好きなスコープドッグのキットと言う事でかなり個人的な趣味を盛り込んでディテールアップ等を行っています。
X(旧ツイッター)にて製作過程をポストしているので、そちらもチェックしていただけると嬉しいです。
岬光彰@mitsuakimisaki

同じキットを用いて2017年に製作したリーマン機と

 

【製作】
■頭部
レジンパーツの頭部はバイザーの曲面を強調し、顎に向けて絞り込む造形でカメラ部のスリットの位置はベースキットよりもやや低めに設定した形状で子供の頃から見て触れてきた「スコープドッグの顔」を自分なりの解釈で造形した物です。
この辺りは十人十色の解釈や好みがあるので、気に入っていただけたら嬉しいです。

今回の完成見本ではレンズ部分にこだわり、使用するHアイズ(WAVE社)をかなり薄く削り込んで透明パーツの透過性を上げてレンズの奥にもう一つ小さめのレンズを二重に組み込むことで、立体感のある造形にしてみました。
外側のレンズの色は薄色の偏光グラスをイメージして、やや薄い色味で塗っています。
奥のレンズの裏面にはラピーテープを貼って反射するようにしてみました。

 

 

■胸部
胸部のパーツはベースキットに比べて前方向に向けてキュッと絞り込んだような形状で造形しています。
スコープドッグは頭部と胸部のバランスで、かなり表情が変化するのでかなり気を使って造型しました。

 

 

コクピット内部のメカパーツに一部加工が必要となりますが、コクピット内もベースキットと同様に再現可能で、ハッチも開閉出来ます(閉める際は計器類を取り外す必要があります)。

 

 

■各種装備
ベースキットのターボカスタム用のパーツはアニメ設定に忠実な造形で形状が良く再現されているのですが、本体に比べスケール的にやや薄味な印象もあるのでガトリングガンは銃口を追加。側面のスリットや三角形のディテールも改造を行っています。

 

ミサイルポッドはパネルラインやリベット等を追加しています。
設定ではグリーン一色なのですが、塗装中に前後のパーツをサフ状態で組んでみた所、80年代ロボアニメ風で良い感じだったので、前後をグレーで塗ってみました。

 

 

■脚
ふくらはぎの3本スリットは通常タイプのスネのディテールに寄せて、フチを段付きにして溝の底面に筋の入った形状に改修しています。
スリットのパーツを一つ作り、レジンに置換して穴を開けたベースキットのパーツに埋め込んでいます。
パネルラインも追加してみました。

 

 

■足
足はターボの加速でのローラーダッシュではソール面の摩耗も激しいだろう・・
という事で、ソール部分が交換できるイメージでに分割ラインを追加。
ターンピックのパーツはスリットを開孔して、中のピックもプラ棒で自作し左右の排出口(?)は新造しています。
足首のアーマーのリベットは側面のものが金型の抜きの都合上形状が歪んでいたので
上面のものを複製して貼り付けています。

元となったノーマルの1/20スコープドッグのキットが、スケールモデル的なディテールを盛り込んでいる為、アニメ設定的な解釈の造形の脚にディテールを加え上半身とのバランスの調整を意識して加工を行ってみました。

 

 

■武装
ヘビィマシンガンの銃口とグレネードランチャーのパーツのギザギザの部分は仕上げが難しく目立つ部分なので、思い切ってプラパイプの輪切りを組み合わせて作り直しています。

 

 

■塗装
今回はOVA「ザ・ラストレッドショルダー」劇中の、スクラップから機体を組み上げていた事をイメージし、装甲等を全体的にくたびれた感じで表現しました。

1グレーのサ―フェイサーを全体に吹く
2シャドーを吹く
3スポンジでエッジを中心にエナメル塗料のダークグレーをランダムに乗せる
4クリアーイエローを面の中央に吹く
5クリアーを混ぜて透過性を高くしたグリーンでコーティング
6錆垂れや傷等をエナメル塗料で追加

という工程で塗装を行いました。

X(旧ツイッター)で先輩のモデラーさんに教えて頂いたのですが絵画のグリザイユ技法という塗装方法に近いそうです。

 

 

■デカール
塗装の際に先につや消しクリアーをコーティングしていて、そのままデカールを貼るとシルバリングの恐れがあったので、貼り付ける部分を1500番程度のスポンジヤスリで整えてから
→つや有りのクリアーを吹いてデカールの密着性を高め→デカールを貼り
→デザインナイフでダメージ加工を行ってから→つや消しクリアーを吹いています。

…という事で、本来は8月末の再販のタイミングで完成見本として完成させる予定だったのですが…(汗)
趣味的に夢中になってしまってどんどん工作箇所が増えてしまい数週間遅れでの完成、ブログでの公開となりました。
自分自身このキットは6年ぶりの製作となりましたが、今回の再販キットはゲート処理済み仕様と言う事もあって、かなりスムースに組み上げる事が出来ました。

40周年という事もあり関連商品も多数発表されて盛り上がっている装甲騎兵ボトムズ。
この「ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット」の形状が気に入っていただけましたらこの機会にぜひよろしくお願いします!

別売りの同スケール「キリコ・キュービィー【レッドショルダー隊制服Ver.】」と。

 

 


 

以上、岬光彰さんによる 『1/20スコープドッグ ターボカスタム(ザ・ラストレッドショルダー版)』作例記事でした。

なお『【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット』
は現在コチラで販売中です。
まだ手にされていなかった方は、この機会にぜひ宜しくお願い致します!!

K_NAGAMI

©サンライズ

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