こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
10月18日(日)、C3AFA TOKYO 2020 ON-LINE『C3AFA マーケット』にて販売する
『1/144 Zガンダム【スペシャルVer.】』&『1/144 Zガンダム【スタンダードVer.】』
について、原型を手掛けた岬光彰さんよりコメントをいただきました。
コンセプトや造形におけるこだわりなどを語っていただきました。
是非、ご覧くださいませ。
原型・製作・文:岬 光彰
原型師の岬光彰です。
今回はいわゆる「藤田版ゼータガンダム」と呼ばれるデザインからの立体化です。
公式なMSV扱いでは無く、小説の挿絵として描かれた飛翔シーンの下側からのアングルのイラストと、月刊ホビージャパン誌(HJ誌)の1990年8月号に掲載されたイラストを元に、作例やガレージキットとして過去に何度か立体化されてきた機体に、去年チャレンジさせていただきました。
製作に当たって決めたことは以下のようなものです
1:小説の挿絵では無く、HJ誌掲載のイラストの方を基準とする
2:フォルムを大きく変えるなど藤田氏のイラストの印象から大きく離れる独自のアレンジはしない
3:原田雅彦氏の作例のイメージを盛り込む
4:しかしイラストや作例の完全再現では無く、ディテール等に現在のガンダムのガレージキットとしての解釈を加える
5:関節など当時の藤田メカ特有の表現をしっかりと残す
各項目でビミョーに矛盾を含むのですが(笑)、製作しながら自分なりにバランスを取りつつ作り進めていきました
■1
小説の挿絵とHJ誌掲載の直立のイラストでは、各部位の大きさやフォルム、構造にかなり違いがあるので、全体のフォルムはHJ誌のイラストを参考にしています。
股間のスラスターや脇腹のディテール等、小説版を参考に作っています。
■2
藤田版ゼータは過去に立体化される際にかなり強いアレンジが施されることも多かったのですが、今回はイラストのシルエットを遵守する方向で製作しました。
■3
原田雅彦氏の作例は当時初立体化で読者の心をつかみ、立体物の決定版として、ガレージキットでも過去何度も再現が試みられた伝説の人気作例です。よって藤田版ゼータと言えばコレ!これが欲しい!というユーザーの方も多い…という事でそのイメージ、特にHJ誌のカラーページに掲載された写真のアングルで印象が寄せられるように努力しました。
■4
HJ誌掲載のイラストは斜め前の物のみであるため、後ろ側のディテールを中心にイラストの線や影の付け方等を分析し、例えば独特なカカトの形状が特徴の足は、左右のふくらみをスラスターと解釈して造形してみました。
イラストの面構成を自分なりに解析し、濃い影の入った部分は一段凹んだ面であると解釈。
スラスターのディテールを組み込むことで、他のMSには見られない特徴的なデザインのカカトのパーツに自分なりの解釈の意味を与えてみました。
また、斜め前のアングルから見えるスラスターのカバーのようなものも、下にバーニア状のディテールを組み込むことで意味を与えています
肩部・スネ部のスラスターには内側に段差を設けて、パーツとしての機能を感じさせるよう造形してみました
■5
青の騎士ベルゼルガ物語やタイラントソードなど、この時代の藤田氏のイラストに共通する面の表現や関節部のディテールなども、盛り込んでみました。
以上部分的な解説ではありますが、製作コンセプトなどを紹介させていただきました。
以上、岬 光彰さんによる 『1/144Zガンダム』の原型製作記でした。
『1/144 Zガンダム』について原型を担当した岬 光彰さんはどのように製作していったか
を昨年トゥギャりましたので、そのURLを下記に再掲載しておきます。合わせてご覧頂くことで、より造形の見どころなども深く見えてくると思いますので、こちらも是非ご覧くださいませ。
https://togetter.com/li/1393705
最後に販売ページは以下になります。
●1/144 Zガンダム【スペシャルVer.】
https://www.chara-ani.com/details.aspx?prdid=B20901817
●1/144 Zガンダム【スタンダードVer.】
https://www.chara-ani.com/details.aspx?prdid=B20901816
どちらも10月18日(日)のみの販売で、またご用意した数も決して多くはありませんので、気になっている方には是非この機会にお求めいただければと思っております。
何卒どうぞ宜しくお願い致します。
K_NAGAMI
©創通・サンライズ
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