原型師Syujyu氏より、マシンメサイア・オージェについて

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMIです。
原型を手掛けたSyujyuさんより、マシンメサイア・オージェについてコメントをいただきました。
デジタルでの制作過程の画像など順を追って交えつつ、色々語られています。
是非、ご覧くださいませ。

 


 

マシンメサイア・オージェの原型製作について

製作・文:Syujyu

かなりの期間をかけて造ってきたオージェがようやく完成し、公開・受注も開始されました。
過去のメールを見返すと、2017年8月1日に原型製作依頼が来ているので、丸2年以上前になりますね。といっても原型納品は2019年の6月上旬だったかと思いますので原型完成までは2年切ってますか…

01 ラフ造形
造形を開始してすぐの状態です。この状態ではサーフェスのみでアウトラインを作っていてパーツに厚みがありません。
バインダーは線画だけだったりしますね。

 

オージェに関してはデザイン画も出ていますし、本編にも出てきていますので資料は多い方かと思います。
背面は見えていないので割り切ってオリジナルのラインで作れますね。この時期のデザインの背面は本編で見えた場合に意外とシンプルなことが多かったと記憶していますので、そうなるよう心がけて造形しています。

 

02 ラフ造形2
バインダーがサーフェスになりました。この状態でもまだサーフェスのみで構成されています。

 

ちなみにコミックス10巻の登場シーンではなく、12巻のシーンをベースに作っています。
ボークスさんのキットが10巻のシーンメインに造形されているので差別化できますしね。

 

03 作りこみ開始
サーフェスのみで構成されていたものに厚みをつけてソリッド化し、作りこんでいきます。
この段階から頻繁にオブジェクトが破綻していないか確認しながら作業を進めています。
作業を進めてしまってから破綻を直すのは大変ですし…
ブーリアンに苦労し始めるのもこの段階ですね…

 

また、今回のオージェを見て男性的という感想をいくつかいただきましたが、意図的にそうしています。
12巻の登場シーンを見るとそんなに女性的なイメージでもないと思うんですよね。

 

04 造りこみ開始2
腰アーマーを進めていっています。とりあえず厚みはつけていますが裏側は作りこんでいないです。
腰アーマーは画面上に配置されているだけで接続もされていない状態です。
そういった状態で確認ができるのもデジタルならではですね。

 

ポーズをどうするかは造形を開始する前の打ち合わせで検討しましたが、僕の中ではデザイン画の『左手に剣を持って右手を腰に添えるポーズ』と決めていました。反対されたら話を断ろうかと思うほどに…
デザイン画のあのポーズって、めちゃくちゃかっこいいんですが、あのポーズを再現したキットってないですよね。
鎌を持ったポーズで組むこともできますが、オススメはデザイン画のポーズです。

 

05 初公開時
イベントで初公開された時のデータです。この状態のデータを出力して展示しています。
表面のディテールはおおむね入っていますが、パーツ裏側はだいぶラフですね。
物理的に成立させないといけないので、全パーツに厚みがありますし、各パーツも角棒で接続されています。

 

造形の技術的な面でいえば、今回、初の完全デジタル造形です。僕自身FSSネタを全デジタルで作るのは初でしたが、FSSのガレージキットとしても完全にデジタルの原型は初なんではないかと思います。

私の使っているソフトはライノセラスなんですが、いわゆるCAD系に分類されるソフトです。
なんかあんまりFSS的なラインの造形には向いてないんじゃないかと思われている節がありますが、結構向いてると思うんですけどね。きれいな曲線が引けますし、前面と側面のラインを書いて無理やり面を作ることもできます。
実際そうやってみてこういう形だったのか!と思うこともしばしばあります。
模型のフルスクラッチ技法の考え方がそのまま適用できる部分も多いですし、結構お気に入りです。
ZBrushも勉強しようとは思っているのですが…
でも唇の造形だけは苦労したかも…

 

06 仕上げ作りこみ開始
イベント公開のための出力で大きさを確認後、少し大きくした後、作りこみを開始した状態です。
頭部、胸部、腹部のディテールは完成しています。まだ最終的なダボは設置していない状態です。
デザイン画で見えない部分を本格的に考え始めないといけない段階です。

 

また、サイズ的にもこれまでWAVEさんで作っていた1/144と違って、今回1/100なんですよね。
さらに実は最初に展示したイベントのときから一回りぐらい大きくなっています。
その点でも今回デジタルじゃないと完成しなかったと思います。いきなり1/100に挑戦でこのデザインは厳しい…

 

07 仕上げ作りこみ開始2
背面のデザインは自分で考えないといけないですが、今回はシンプルなラインでまとめるよう心がけています。
首周辺は、細いコードの上に太めのパイプが這うようなディテールで構成しています。

 

デジタルで原型を作っていると、結局出力するまでは絵に描いた餅状態なんですよね。
モデラーなのでやはり実物の模型として欲しくてやっているわけですし、出力されるとやっぱりテンション上がります。

 

08 仕上げ作りこみ3
足裏の作りこみ状態です。ここもディテールを自分で考える必要がありますね。
オージェはモーターヘッドではなくマシンメサイアですが、今回はモーターヘッドに寄せてディテールを考えています。
焰星と比べると全体的なデザインもモーターヘッド寄りに思えますし。

 

今回はバインダーの外装と鎌をアワートレジャーさんのForm2で出力してもらい、その他のパーツは私の持っているTitan2というプリンターで出力しています。
ひそかにパーファクトリーの代替となるくらいの品質だと思ってるのですが、あまり受け入れられませんね…

 

 

09 仕上げ作りこみ4
本体のディテールがだいぶ揃ってきた状態です。まだバインダーが残っているので気が重いです…
最終的なダボの設置も開始しています。

 

今回のキットですが、きちんと軸打ちすれば意外とがっしり組めます。バインダーパーツとか棍棒みたいに握って振り回してもOKなくらいになると思います。意味ないですけど…

 

10 バインダー内フレーム等
ついにバインダーの作りこみを開始しました。スロウランサーはバインダー内部のひだの間に配置されるようにしています。
けん玉フレイルはどこに収納されるんだ…
バインダー内部はあまりパーツ分割せず、がっしり組みあがるように心がけています。

 

FSSのキットってデザイン的にパーツ数が多いと思われがちなんですけど、実はそうでもないんですよね。
ほかのメカの方がシンプルなラインの分、パーツ分割もしやすくて色ごとの分割とかでパーツを増やそうと思えば増やし易いです。
FSSの場合パーツ数は増えないけど、その分1パーツの情報量が増える方向ですかね。

 

11 原型データ完成
この状態でひとまず原型データ完成です。この後、鎌のパーツを作ったりしていますが…
ガレージキットの原型作業としてはこの後、出力して磨き、組みあがりの確認などがあります。
それがまた大変です。

 

今回、久しぶりにFSSの造形ができてとても楽しかったですし、やりがいもありました。
このご時世にGTMではなく旧デザインの総計を、ライセンスを受けながらできるのも、なかなか貴重な体験だったかと思います。
今後も続けられる限り続けてきたいですね。多分FSS造形が全くできなかった時、私は原型師をやめるのかなと思っています…
幸いもうしばらくは続けられそうなので頑張っていきたいですね。
今回のキット、高額にもかかわらず、多くの方に購入いただいていると聞いています。
楽しんでいただけましたら幸いです。

 

12 原型データ完成(背面)
一度作りこみ前に出力して物理的に成立することは確認しているものの、やはり最終的に組みあがるのかは不安な部分もあります。
特に今回のオージェのようなデザインは。実際、出力してみて、薄すぎるので厚みを増したりしているパーツもあります。

 


 

以上、Syujyuさんによる 『マシンメサイア・オージェ』の原型製作記でした。

なお『1/100マシンメサイア・オージェ』は現在コチラ

で予約受付中です。

11月5日受注締め切りとなりますので、まだ予約されていない方は、この機会にぜひ宜しくお願い致します!!

K_NAGAMI

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