プロの秘技を完全公開!『1/20イプシロン製作記』 ~その4~

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。

岡島正晃による『1/20イプシロン製作記』の4回目。
いよいよ今回より塗装作業のスタート!まずは顔の基本塗装から入ります。
筆で塗装するにあたり作業上のコツから筆洗いまで、わかりやすく解説しています。
是非ご覧ください。


 

『1/20イプシロン』製作記』 ~その4~

製作・文:岡島正晃

基本塗装
さて、細かな道具まで揃ったら、今度こそペイント開始! 私の場合、ほとんどのフィギュアは顔から塗っています。なんせ最も目立つ部分ですから、ここでミスったら塗り直し確定。一体成形のフィギュアで、ほかの部分をカンペキに塗り上げたあとにやっちまった日にゃあ、数日フテ寝コースですからね。今回は首から上を接着していないので、その心配はないんですけど、やっぱホラ、顔がキマるとモチベーションも上がりますし?

具体的な顔のペイント手順としては、まず顎の下などに塗るべき一番明度の低い影色(ベースカラー)を、顔全体に塗ってやります。今回はオレンジ系のブラウンであるコートデアームズ224番「ホーストーン ベイ」に、118番「ポイズンパープル」を少々混ぜたものを、1番の筆で塗りました。

ただこのとき、ビン生の絵の具を筆にどっぷり取って、そのままベチャーっと塗るのはNG! ミニチュア専用塗料はプラモデル用塗料以上に、ボトル内での濃度が高い状態で販売されていますから、そのまま塗ったら筆目は出るは塗膜は厚くなるは、ロクな目にあいません。
筆の尻かなにかで塗るべき色をパレットに乗せ、水や炭酸水で薄めましょう(ラーミアン・メディウムまでは、まだ使わなくて大丈夫!)。最初に塗るこの色は、しっかり発色してくれないと困るので、全工程を通して最も濃度の高い塗料を使いますが、それでもビン生と水/炭酸水を5:5ぐらいには薄めています。

この薄めた絵の具を顔全体に、これまた薄ーく塗っていくワケですが、コツは筆に塗料を取り過ぎないこと。筆の毛の半分ぐらいを塗料につけて、その状態でよーく見てみてください。絵の具がしずくになって落ちそうだったり、水分過多で筆先が膨らんじゃってたら、キッチンペーパーに余分を吸わせてやりましょう。「筆の先端がきちんと尖り、先端側の半分ぐらいまで絵の具がついていて、毛の根元には絵の具が回っていない」のがベストで、この状態なら自然と薄く塗ることができます。

とはいえ、さすがに絵の具がこの濃度/量だと、下地の色が隠しきれないこともしばしば。でもだからって、焦って厚塗りしちゃあいけません。
モールドの深いところに流れ込んだ塗料がそのまま固まって、ボッテリとした塗膜になっちまいます。
慌てず騒がず、乾燥後にもう1回塗ってやりましょう。
2回か3回薄塗りしてやれば、キッチリ発色してくれますよ。

塗り終わったら、筆はこまめに水で洗ってやりましょう。
ただ、マグカップの底やキッチンペーパーにガッシガシ押し付けたりとかは、間違ってもしちゃダメ! 水の中でクルクルジャブジャブと筆を洗い、その後はキッチンペーパーの上で筆先をやさしく転がして水分を吸わせるのが、オトナのやり方ってもんです。
とくに根元の部分には塗料が残りやすいので(塗るときは根元に絵の具が見えないのがベストですが、筆の中では結構染みてるんですわ)、色のついた水が根元から染み出さなくなるまで、転がしちゃ水洗いを繰り返してください。

この適正な絵の具の含みと洗い方は、以降の工程でも普遍であります。

 


 

以上、岡島正晃による『1/20イプシロン製作記』の4回目はここまで。
次回は目の塗装についてです。じっくり、そして丁寧な解説となっていますのでご期待下さい!

 

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K_NAGAMI(永見 浩士)

©サンライズ

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