キリコ、今度は俺が確かめてやる!原型師・岬光彰 製作『スコープドッグ リーマン機』!!

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。
今回は先ごろ発売となったバンダイ製『1/20スコープドッグ サンサ戦 リーマン機』に、当社の『1/20【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット』を使用しリーマン機の作例です。
製作も当社製品の原型を担当した岬さん!是非、ご覧ください!

 


1/20 スコープドッグ サンサ戦 リーマン機

製作・文:岬 光彰

原型師の岬光彰です。

「装甲騎兵ボトムズ レッドショルダードキュメント 野望のルーツ」のクライマックスでキリコと対峙した、インゲ・リーマン少佐の搭乗する指揮官専用機、いわゆる「リーマン機」。
今回はバンダイの直販サイト、プレミアムバンダイにて現在10月発送分が2次受注中の
1/20 スコープドッグ サンサ戦 リーマン機
のキットに、自分が原型を担当したアワートレジャー製
1/20 【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット
を組み合わせ、作例として製作しました。
レジンキットの活用例として、様々な模型の楽しみ方の一つとして捉えていただければ幸いです。

製作コンセプト
基本的には1/20リーマン機のキットも、ヘッド&ボディ&ハンドパーツも、素組みでそれぞれ製作して組み合わせています。ただ、レジンキットのパーツを使用する、胸部の向かって右側面へのプラキットの「ガトリングガン基部」の移植とレジンキットの左腕の肩アーマーにプラキットのマルチディス チャージャーを装着するための加工は行っています。
今回、頭部、胸部、肩アーマー、ハンドパーツに使った、アワートレジャー製品のレジンキットパーツは自分が原型を担当したものです。原型製作の際には、TV本編のアニメ設定を基準に、カメラのターレットの中心点と横スライドの溝の位置関係など「野望のルーツ」の際に描かれたスコープドッグ設定画の微細な特徴も部分的に盛り込んで製作したので、リーマン機にもバッチリ合うと思うのですが…いかがでしょうか?

ガトリングガン基部の加工
まず、レジンキットではノーマル仕様の「スコープドッグ」用として造型しているのでガトリンガンの基部をプラモデルのパーツから切り離し、移植して使用します。
プラモデルのガトリングガン基部のディテールは周囲にスジボリが入っているので、そのスジボリをケガキ針でケガいて溝を深くしながら貫通させ、慎重に切り離しています。

切り離したガトリングガンの基部パーツを、レジンキットの胸部の側面に合わせて位置合わせをします。
レジンキット胸部のその部分を、約1~2mmの深さに少しだけ大き目に穴を彫り、シリコンバリアーを塗布します。

 

瞬着パテを穴の端に盛って、上から瞬着硬化スプレーを吹き付けます。

 

そしてガトリングガンの基部パーツを押し付けます。

 

最後にパテの硬化後に基部パーツを外し、その後はみ出したパテをヤスリで処理して仕上げました。

 

上記の過程を経て…

 

加工した状態がこの画像です。ピッタリと隙間なく移植できました。

 

マルチディスチャージャーの加工
肩アーマーパーツはレジンキットのものを使うので、左肩のマルチディスチャージャーの基部が差し込めるように穴を広げる加工をしました。

 

穴を広げるだけだと少し浮いてしまうので、パテで隙間埋め加工をして仕上げています。

 

各部ディテールアップ
今回は完成見本というよりも「雑誌作例」的に自由に作って良し!との事だったので、ミッションパックなど、AT本体以外のパーツを中心にモデラー個人の趣味性を注入しています♪
アニメ設定基準のシンプルな造形で商品化されているミッションパックは、各部にパネルラインや排熱用のスリットなどのディテールを追加。

 

また、パーティングラインや接着線の処理のし難い部分は、丸モールド等のディテールを思い切って削り落としてから処理し、市販のディテールアップパーツを使って作り直しています。

 

塗装
今回は9月29日からの全日本模型ホビーショーにてガイアノーツさんのブースで塗装例として展示していただけるとの事で、ガイアカラーをメインで塗装しています!
・・・が、作例ということでオリジナリティを出そうと思い、通常色も自分なりに混色し塗装しています。

[本体・濃い緑]
202 オリーブグリーン(50%)+ 027ダークグリーン(50%)を同量混ぜたものに、やや緑を強く発色させたかったので、
036 純色グリーン(数滴)を混ぜて調整。

[本体・薄い緑]
026 ライトグリーンをベース色として使い、001 ピュアホワイトを混ぜたものをハイライト部分に塗り重ねて全体の色味を調整。

[ミッションパック・ガトリングガン]
062ミディアムブルー(80%) + 001 ピュアホワイト(20%)

[関節部分]
073 ニュートラルグレーIII(100%)& 075 ニュートラルグレーV(100%)の二色を部分的に使い分けて塗装。

[パイルバンカー]
VO-15 フレームメタリック(2) (深みのある銀色で大好きな塗料です)

[右肩アーマー・アンテナ]
レッドショルダーの「赤」は、設定画ではマルーンに近い濃い赤ですし、キリコの「レッドショルダーの赤はもっと暗い。血の色だ」・・セリフもあって悩みどころではあるのですが…。
リーマン機のデザイン的な派手さや、一つの作品としての模型映えを考慮して、設定画よりも発色の良い、赤味の強い色にしました。

003 ブライトレッド002 ピュアブラック(数滴)少々の、やや濃いめの赤をベースに、ハイライトへ
003 ブライトレッド005 サンシャインイエロー を少し数滴混ぜたものを薄く吹き付け、影になる部分には
003 ブライトレッド002 ピュアブラック(数滴)をやや多めに混ぜたものを吹いています。

 

 

ウェザリング
エナメル&パステルで全体的に、遠目ではわからない程度の淡いウエザリングを施しました。
リアルな汚しというよりは、塗装面にタッチを加えて1/20のスケール感に合わせた情報量を加える…という方向性での塗装です。

 

あとがき
春~夏にかけて原型制作三昧の生活で、プラモデル作り&塗装が久しぶりだったので
楽しんで作ることができました。
現在ファッティー他バララント系の原型を製作中なので、そちらのほうもよろしくお願いします!

 


以上、岬さんによる 『1/20スコープドッグ サンサ戦 リーマン機』作例記事でした。

なお『【スコープドッグ】ヘッド&ボディ&ハンドパーツセット』
は現在コチラで販売中です。
まだ手にされていなかった方は、この機会にぜひ宜しくお願い致します!!

また岬さんの記事中にもあるように、9月29日~10月1日まで東京ビッグサイトで開催中の「全日本模型ホビーショー」ガイアノーツ社ブースで、本作例が展示されます。会場へお越しの方は、是非、見に行ってください!!

K_NAGAMI(永見 浩士)

©サンライズ

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