「1/100フルアーマーガンダム」の製品開発について

こんにちは!企画・開発担当のK_NAGAMI(永見浩士)です。
既にイベント前日というタイミングではありますが、今回はC3AFAマーケット限定アイテムとして取り組んだ「1/100フルアーマーガンダム」開発についてのお話です。

ご存知の方も少なくないと思いますが、こちらはSyujyuさんが原型を手掛け、2016年にウェーブ社から1/144スケールで販売されたものが元になっています。
今回、当社がC3AFAマーケットに出展するにあたって、関係各位に相談したところ、皆さんに快く了承いただき(しかも即決で!)、今回のプロジェクトが実現できました。

まずプロジェクトを始めるにあたり、最初に決めたコンセプトが以下の2点です。
1.ただスケールアップするのではなく、よりカッコイイものにする
2.開発コストを抑え、可能な限り売価上昇を抑える
です。

元々、原型はデジタル造形でしっかりと完成しており、乱暴に言ってしまえば、ただサイズを大きくすればそれだけでも十分、商品形態にすることは出来ました。
実際、それでも遜色ない造形だったとも思っています。
ただ、せっかく商品化出来るチャンスを頂けたこと、そしてサイズアップに伴い造形面でも可能性が広がっていることを考えるとエネルギーをかけてでも、より良いものを目指すということに悩むこともありませんでした。

まず、第一に考えたのは、1/100スケールというサイズならではの…いえ、それ以上に見ごたえ、存在感のある立体にするということです。

そこで、解像度が上がれば、きっと入っていると想定されるディテールを入れ込むことにしました。

ディテールを入れ込むにあたって、ある程度(1ヶ月程度)時間をかけて、まずは過去に発表された多くのイラスト、次にオフィシャルな映像や立体物等の資料を徹底的に探し出すということから始めました。
そして、ある程度集まったところで原型を手掛けるSyujyuさんに提供しています(勿論、Syujyuさんもその間、独自に資料探しをされていましたが)。
それをもとに、あとはSyujyuさんが2D上で熟考しながら、ディテールデザインの落とし込みをし、ある程度出来たところで、独りよがりにならないよう当社へ相談しながら完成させています。そうして出来上がったものが現在公開しているものです。

そのほか、ディテール以外で頭部だけは形状自体のブラッシュアップを行っています。
具体的には、アゴを引いたときに下から見上げる形でなくても目が隠れないようにしたいと考え、カトキ氏の正面画稿と睨めっこをしながら、デフォルト状態でも若干アゴを引いたように見えるよう、ヒサシや頬あてのラインを修正しています。併せて、フェイス自体の小型化、ヘルメットの広がり演出の誇張などの修正も繰り返し、繰り返し行いました。更に両サイドのダクト内部なども、よく見ていただくとディテールが入っていたりします。
そうして出来上がったのが、こちらです。

実際、
「超カッコイイ!!」
と思っているのですが、いかがでしょうか。皆様にも同じように思ってもらえれば幸いです。

 

次に『開発コストを抑え、可能な限り売価上昇を抑える』について…。
ご存知の方も少なくないと思いますが、1/144キットでも商品は既に想像を超えた高額なものとなっていました。
それを1/100というビッグサイズにするとなれば、どんなにコストを抑えようとも超高額となることが容易に想像できます。1日限定販売のアイテムとしては、あまりに高い価格で設定するのは、なかなか勇気がいることで、何とかしたいと考えました。
一般的に価格を抑えるための手段として、まずはコストを下げること。次に販売数を増やすことの二つが考えられます。
そこで今回、まずは組立て説明書の制作、データ原型によるパーツの3D出力、出力したパーツの仕上げなどコストを下げるため、極力、社内で出来ることについては社内で行いました。
結果、ギリギリまでコストダウンを図って、実現できたのが今回の価格になります。

ただ、それらの影響で、パーツ仕上げでは締め切りギリギリまで粘ったものの、ダボの凸凹のかみ合わせ調整が完ぺきとはならず、組み立てていただく際にキツくてかみ合わないところを調整いただかなければならないなど、面倒をかけてしまう部分も出てしまいました。せっかく購入していただいた方に余計な手間をかけてしまうので、その点は申し訳なく思っております。すみません…。

また原型納品もギリギリとなってしまったため完成見本品を作る時間も極端に短くなり、完成見本を担当していただいたモデラーさんにも相当な無理をさせてしまいました。

…と、何か後半は言い訳と反省ばかりになってしまいましたが、『当社的には』現時点で一番カッコイイと思えるガンダムがキット化出来たと自負しております。
イベント当日、会場にお越しの際には、是非、まずは見に来ていただければと思っております。
そして、大変高額な商品ではありますが…宜しければ購入していただきたく(^_^;)…何卒どうぞ宜しくお願い致します!

 

 

K_NAGAMI(永見 浩士)

©創通・サンライズ

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